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富士山が世界遺産に選ばれたわけ

芸術の源泉 / 和歌に見る富士山

富士山が和歌で詠われているのは、絵画で描かれるより前の奈良時代のことです。「万葉集」で神の山として詠われて以来、日本人の誰もが知っている高さの象徴、美の象徴、強さの象徴として、富士山は多くの歌に詠まれてきました。

万葉集

日本最古の歌集が「万葉集」です。4500首以上の中に11首、富士山を読んだ歌があるといわれています。その内容は、富士山の崇高な美しさ、火山活動による畏れ、恋心の比喩と多彩です。歌を詠むことで、古人が富士山に対しさまざまな思いをかさねていたことが分かります。また、昔の富士山の環境を知ることができる貴重な記録としても、大切な文献とも言えます。

富士山百人一首

「百人一首」とは、百人の歌人の歌を一首ずつ撰んで集めた歌集のことで、平安時代から盛んに行われていました。最も知られているのが、藤原定家(1162〜1241)が編纂した「小倉百人一首」。奈良時代初期の宮廷歌人、山部赤人の富士山を詠った作品は、あまりにも有名です。静岡県では万葉の時代から現代に至るまで、古今の歌人が詠み継いできた「富士山の短歌」の中から、「富士山百人一首」を編纂しました。