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富士山が世界遺産に選ばれたわけ

富士山信仰 / 修験道

富士山=大日如来。
山頂の仏世界を目指す“修験者”が現れる。

富士山の噴火活動が沈静化すると、富士山の持つ神力、霊力を得ようと修験者などが山中に足を踏み入れるようになりました。修験道は、日本古来の山岳信仰と密教・道教(神仙思想)が習合したもので神仏習合思想のひとつで、神々は仏の化身というのが教え。つまり、それまで浅間大神であった富士山を大日如来とし、富士山頂に仏の世界(または仏が神の形となって現れる場所)があると考えられていました。これにより、多くの修験者が山頂をめざしました。

この頃、修行を行った修験者の中で最も知られているのが、数百度登山した記録が残る末代上人(まつだいしょうにん)。山頂に大日寺を構えたとされ、富士山上人と呼ばれたと言います。末代上人が山麓の拠点にしたのが村山(富士宮市)で、ここを拠点に行われた富士山域の回峰行が「富士峰修行」。富士山腹から宝永山や愛鷹山、三島明神(三島大社)などを26日かけて巡ったと言います。

修行を目的にした『修験』から、民衆に開かれた『富士講』へ。

登山者が増えるにつれ登山道ができ、15~16世紀になると修験者に引率された衆庶の信仰登山へと拡大。富士山は、登拝する山として知られるようになり、参詣者のための宿坊ができるなど、より登りやすくなっていきました。
そして、「修験」から、さらに民衆に開かれた「富士講」へと、道はつづいていきます。