富士山が世界遺産に選ばれたわけ

芸術の源泉

気高く美しい富士山の姿は芸術面でも多くの人々にインスピレーションを与えてきました。

今から約1,200年前、奈良時代にはすでに富士山を題材にした歌が、日本最古の歌集である「万葉集」に詠まれています。
また、富士山は、『竹取物語』や『伊勢物語』などの古典作品をはじめ、俳句や漢詩、夏目漱石や太宰治の文学作品にも取り上げられてきました。
平安時代になると、富士山は絵画の世界にも登場するようになります。現存する最古の絵画は、秦致貞の『聖徳太子絵伝』です。
江戸時代になり、富士登山が「富士講」等を通じて庶民に爆発的に人気となると、富士山も多くの絵師に描かれるようになりました。葛飾北斎の『冨嶽三十六景』や歌川広重の『不二三十六景』、『東海道五拾三次』など、様々な場所から見た富士山が浮世絵に描かれています。浮世絵が海外に輸出されるようになると、ゴッホやモネなど、西洋の芸術家にも大きな衝撃を与えました。

こうして、富士山の存在は、芸術の分野から世界に知られることになりました。万葉の時代から現代に到るまで、日本人は、その時々の気持ちを富士山に託し、多くの歌を詠み、描いてきました。

日本の文化や芸術を遡っていくと、雄大な富士山にたどり着きます。