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世界遺産登録について

世界遺産登録までの道のり

富士山が世界遺産暫定一覧表に入ったのは2007年。それから長い道のりがあり、2013年6月に登録されました。
しかし、これで終わりではなく、世界遺産としての価値を保全し、未来に伝えていくための活動は続けていく必要があります。

世界遺産登録21年前〜17年前

日本の世界遺産条約加盟と富士山世界遺産登録運動の始まり

平成4年
(1992年)
6月30日
日本が世界遺産条約に加盟する(宮沢喜一内閣)。
10月1日
日本最初の暫定一覧表として12件の資産が記載されるが、富士山は選外となる。
12月12日
山梨・静岡両県の自然保護団体により「富士山を世界遺産とする連絡協議会」が発足する。
平成6年
(1994年)
6月14日
「富士山を世界遺産とする連絡協議会」が、240万人余りの署名を添えた「富士山の世界遺産リストへの登録に関する請願」を衆参両院議長へ提出する。しかし、第129国会環境委員会において、審査未了として保留となる。
10月
山梨・静岡両県の文化・自然保護団体、企業などにより「富士山を考える会」が発足する。
11月24日
「富士山を考える会」が「富士山の世界遺産リストへの登録に関する請願」の内容を「富士山の世界遺産リストへの登録を目指して、富士山の保全対策を検討するなど積極的な取組みを行うこと」に修正し、衆参両院議長へ提出する。
12月9日
「富士山の世界遺産リストへの登録に関する請願」が第131国会衆参両院において採択される。
平成7年
(1995年)
5月19日
「富士山の世界遺産リストへの登録に関する請願」が閣議決定される(5月23日に国会報告)。
9月
静岡新聞社主催の国際専門家会議が開催され、ユネスコ世界遺産センター、IUCN、イコモスを含む国際的な専門家の参加のもと議論が行われる。
平成8年
(1996年)
12月
第20回世界遺産委員会(於メキシコ・メリダ)において「カムチャッカの火山群」(ロシア)が富士山を含む環太平洋地域の成層火山群を代表する自然遺産として世界遺産一覧表に記載される。

世界遺産登録13年前〜8年前

富士山世界遺産登録運動の再開

平成12年
(2000年)
11月17日
文化財保護審議会世界遺産条約特別委員会が、「富士山について早期に世界遺産に推薦できるよう強く希望する」とする意見を文化財保護審議会に提出する。
平成13年
(2001年)
9月5-10日
ユネスコ世界遺産センターと日本政府の共催で「信仰の山の文化的景観に関する専門家会議」が和歌山県において開催され、富士山の将来的な世界遺産の可能性についても紹介される。
平成14年
(2002年)
11月11-12日
世界遺産条約採択30周年記念会議のプレ企画として開催された文化的景観の国際専門家会議(於:イタリア国フェラーラ)において、富士山の神聖性と芸術性の両面からの顕著な普遍的価値の可能性について報告がなされる。
平成15年
(2003年)
5月26日
環境省・林野庁が共催する「世界自然遺産候補地に関する検討会」において、詳細検討対象地域に選定されるも、世界自然遺産候補地としては選外となる。
平成17年
(2005年)
4月25日
中曽根康弘元総理大臣、故成田豊電通名誉相談役、山梨・静岡両県知事などが発起人となり、NPO法人「富士山を世界遺産にする国民会議」が発足する

世界遺産登録8年前

山梨・静岡両県による本格的な世界文化遺産登録への動き

平成17年
(2005年)
7月4日
山梨・静岡両県が「富士山の世界文化遺産登録についての要望書」を文部科学省及び文化庁に連名で提出する。
9月16日
山梨・静岡両県が「富士山世界文化遺産登録プロジェクトチーム」を設置する。
10月17日
山梨・静岡両県が「世界文化遺産登録推進本部」を設置する。
11月22日
山梨県が「「富士山世界文化遺産登録」山梨県推進協議会」を、静岡県が「静岡県世界文化遺産登録推進協議会」を発足する。
12月19日
山梨・静岡両県が「富士山世界文化遺産登録推進両県合同会議」を発足する。
平成18年
(2006年)
4月1日
静岡県生活・文化部に「世界遺産推進室」を設置する。
5月
「「富士山世界文化遺産登録」山梨県学術委員会」(委員長:清雲俊元 山梨郷土研究会理事長���副委員長:田畑貞寿 千葉大学名誉教授)、「富士山世界文化遺産 静岡県学術委員会」(委員長:木村尚三郎 静岡文化芸術大学学長、副委員長:土隆一 静岡大学名誉教授)を設置する。
6月27日
「富士山世界文化遺産二県学術委員会」(委員長:遠山敦子 元文部科学大臣、副委員長:高階秀爾 大原美術館館長)を設置する。

世界遺産登録7年前〜6年前

暫定一覧表への記載

平成18年
(2006年)
9月15日
第61回文化審議会文化財分科会において世界文化遺産特別委員会が設置され、世界文化遺産暫定一覧表候補の「公募」が行われる。
11月10日
山梨・静岡両県知事が文化庁長官に「暫定リスト提案書」(資産名称:Mount Fuji、構成資産42件)を提出する。応募第一号。
平成19年
(2007年)
1月23日
文化審議会文化財分科会世界遺産特別委員会において、地方公共団体から提出された24件の候補のなかから、「富士山」を含む4件が暫定一覧表に記載すべき資産として選定され、第67回文化審議会文化財分科会において了承される。
1月29日
世界遺産条約関係省庁連絡会議において、「富士山」を含む4件が暫定一覧表記載が正式に決定する。
1月30日
ユネスコ世界遺産センターにおいて「富士山」(Fujisan)が暫定一覧表に記載される。
4月1日
山梨県企画部に「世界遺産推進課」を設置する。
6月27日
第31回世界遺産委員会(於:ニュージーランド国クライストチャーチ)において、「富士山」の暫定一覧表記載が報告される。

世界遺産登録5年前〜2年前

国際会議による議論、推薦書暫定版の提出

平成20年
(2008年)
11月6-9日
クリスティーナ・キャメロン氏(カナダ)、ノーラ・ミッチェル氏(アメリカ)を招いて、海外専門家との意見交換会、富士山世界遺産国際シンポジウムを開催する。
平成21年
(2009年)
7月14日
稲葉信子 筑波大学大学院教授、岡田保良 国士舘大学教授、西村幸夫 東京大学先端科学技術研究センター教授を委員とする第1回推薦書原案検討会が開催される。
その後、平成23年(2011)2月24日まで7回開催。
9月1-6日
イコモス・文化的景観国際学術委員会を日本で開催し、同委員会委員長モニカ・ルエンゴ氏(スペイン)、呂舟氏(中国)他の海外専門家との意見交換会、国際フォーラムを開催する。
平成23年
(2011年)
7月27日
山梨・静岡両県が、推薦書原案を文化庁へ提出する。
9月1日
文化審議会文化財分科会世界文化遺産特別委員会において、推薦書案が了承される。
9月16日
第118回文化審議会文化財分科会において推薦書案が了承される。
9月22日
世界遺産条約関係省庁連絡会議において、富士山の推薦が決定される。
9月28日
日本国政府がユネスコ世界遺産センターに推薦書暫定版を提出する(名称は「富士山」(Fujisan)、構成資産25件)。
11月15日
ユネスコ世界遺産センターより推薦書暫定版の形式審査結果通知が届く。

世界遺産登録1年6ヶ月前

推薦書の提出

平成24年
(2012年)
1月12日
文化審議会文化財分科会世界遺産特別委員会において、推薦書が了承される。
1月20日
文化審議会文化財分科会において、推薦書が了承される。
1月25日
世界遺産条約関係省庁連絡会議において、富士山の推薦が正式決定される。
1月26日
日本国政府がユネスコ世界遺産センターに推薦書を提出する(名称は「富士山」(Fujisan)、構成資産25件)。
ユネスコ世界遺産センターへ提出した推薦書

ユネスコ世界遺産センターへ提出した推薦書

世界遺産登録1年前〜2ヶ月前

イコモス現地調査, 追加情報提出, イコモス勧告

平成24年
(2012年)
8月29日-
9月5日
イコモス調査員により現地調査が行われる。

12月19日
イコモスから追加情報を要請する書簡がユネスコ日本政府代表部宛に発出される。
平成25年
(2013年)
2月28日
イコモス追加情報要請への回答を含む推薦書追加情報をイコモス及びユネスコ世界遺産センターに提出する。
4月30日
三保松原を除いて「富士山」を世界遺産一覧表に記載するイコモス勧告が出される。

世界遺産登録2ヶ月前〜登録決定

世界文化遺産「富士山ー信仰の対象と芸術の源泉」の誕生

平成25年
(2013年)
5月31日
イコモス勧告の事実関係誤認についての訂正を提出する。
6月16日
カンボジア国プノンペンにおいて第37回世界遺産委員会が開会する。
6月22日
第37回世界遺産委員会において「富士山」が審査され、三保松原を含めて世界文化遺産として登録することが決定される。
6月26日
第37回世界遺産委員会の決定が採択され、「富士山ー信仰の対象と芸術の源泉」という名称での登録が確定する。

第37回世界遺産委員会(カンボジア・プノンペン)での様子。
左より、川勝静岡県知事、横内山梨県知事、近藤文化庁長官、木曽ユネスコ日本政府代表部大使