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富士山が世界遺産に選ばれたわけ
絵画に見る富士山 / 富士山と三保松原
絵画に見る富士山と三保の松原の関係は、
その組み合わせが美しいというだけでなく、羽衣伝説が深く影響しているようです。
天女が三保の松原から愛鷹山、そして富士の高嶺に舞い上がるシーンは、やはり絵になります。
代表的な作品をご紹介します。(クリックすると詳細をご覧いただけます)
富士三保松原図屏風
室町時代(16世紀)
右隻では雲間から雪を戴いた雄大な富士山を描き、左隻では江尻の町並みをきめ細かく描写。両隻をつなぐ役割を担うのが三保の松原で、先端の大きい一本が羽衣の松でしょう。富士山と三保の松原が極端に近く配置されていて、この距離感に古くから富士山と三保の松原の関わりを知ることができます。
- 静岡県立美術館 蔵(はごろもフーズ(株)寄贈)
原在中筆 富士三保松原図
文政五年(1822年)
款記に「在久能山上寫芙蓉及三保崎」とあり、久能寺(現鉄舟寺)からの風景であることが分かります。横長のワイドな画面を効果的に使った広がる景色と、緻密な描写はとてもリアルで美しい。遠くの景色が次第に霞んでいるのに対し、富士山だけはくっきりと描き、存在感を出しています。
- 静岡県立美術館 蔵
木村武山筆 羽衣
昭和時代(1920〜30年代)
「羽衣伝説」を主題にしたもので、羽衣を取り戻した天女が舞楽を奏でながら天に昇っていく様子を描いています。左隻には、雲海からのぞく富士山を画面の下側に配置することで、天女がまさに天高く昇っていくさまがいきいきと描かれています。
一方、天女が振り返る視線の先にある右隻には、羽衣の松と散華だけが描かれています。天女が去ったあとには、花の美しい香りだけが残されている、そんなイメージがふくらむ素敵な作品です。- 静岡県立美術館 蔵
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